9次全国肺癌登録事業

悪性胸膜中皮腫の前方視的データベース研究

について

 


 日本肺癌学会、日本呼吸器外科学会、日本呼吸器学会、日本呼吸器内視鏡学会、日本胸部外科学会、日本胸腺研究会、日本石綿・中皮腫学会により運営する肺癌合同登録委員会の第9次事業として、悪性胸膜中皮腫の登録作業を実施しました。

 登録症例の解析結果をもとに、最新の悪性胸膜中皮腫の治療成績を把握し、今後の診療に活かし、当事業の症例データベースは世界肺癌学会の国際データベース事業とも共同して、国際対癌連合(Union internationale contre le cancerあるいは The Union for International Cancer Control、略してUICC)による TNM分類の改定にも貢献する予定です。

 本登録事業の症例登録はすでに終了しており、202112月に登録後2年の予後入力を完了し短期予後解析を行いました。主解析結果を主論文として公表予定です。さらに、長期の予後調査を行うため、この研究は20263月まで実施する予定です。ご参加いただきましたご施設におかれましては、引き続きご協力をよろしくお願いいたします。

 

肺癌合同登録委員会委員長 伊達洋至

肺癌合同登録委員会事務局長 吉野一郎

 

 

1. 研究の対象

201741日から2019331日の間に細胞診または組織診にて悪性胸膜中皮腫と診断された20歳以上のすべての患者さんを対象とします。

 

2. 研究目的・方法

本研究の目的は、本邦で診断された悪性胸膜中皮腫症例を前向きに登録してデータベースを構築し、治療成績を検証し、標準治療の確立のための基礎データを構築することです。さらに、構築されたデータベースをもとに臨床研究を行い国内外に情報発信するとともに、国際的なデータベースにも参加する予定です。

また、現在、国際中皮腫研究会はデータベース事業を開始し、国際共同研究が提案されています。本研究のもう一つの目的は、本邦での独自の研究に加えて国際共同研究にも参加し、国際的な標準治療を確立することです。

カルテに記載されている一般的な診療情報を全国規模のデータベースに登録します。本研究は、長期にわたる経過観察と転帰の情報の入力が必要であるため、参加施設の担当医が登録前に患者さんに説明書を使って研究について説明し、インフォームド・コンセントを取得するとともに、研究対象者等が拒否できる機会を保障いたします。

 

3. 研究に用いる試料・情報の種類

臨床症状、血液検査結果、画像診断情報、病理診断情報、治療後の転帰・予後など、カルテに記載されている一般的な診療情報を登録します。

 

4. 外部への試料・情報の提供

データセンターへのデータの提供は、特定の関係者以外がアクセスできない状態で行います。対応表は、当センターの研究責任者が保管・管理します。患者さんのお名前などの第三者が患者さんを識別できる情報がデータベースに登録されることはありません。

また、当事業の症例データベースは世界肺癌学会のデータベースなどにも供与されます。

 

5. お問い合わせ先

 本研究全体に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。

ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。

 

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:

新谷 康 (大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器外科学)

大阪府吹田市山田丘2-2(L5)

TEL: 06-6879-3152, FAX: 06-6879-3164

 

研究責任者:

伊達 洋至(京都大学大学院医学研究科呼吸器外科学)

  

研究代表者:

長谷川 誠紀(兵庫医科大学 呼吸器外科)