肺癌登録第8次事業への参加について

 

 

 日本肺癌学会、日本呼吸器外科学会、日本呼吸器学会、日本呼吸器内視鏡学会、日本胸部外科学会、日本胸腺研究会により運営する肺癌合同登録委員会の第8次事業として、胸腺上皮性腫瘍症例の登録作業を実施する運びとなりました。

 胸腺上皮性腫瘍は比較的低頻度の疾患であり、一施設での診療経験は少数例にすぎず、有意義な研究結果を得るには全国的な多施設共同研究が求められます。近年、国際的に共通の病期の確立の必要性が認識され、International Association for Study of Lung Cancer (IASLC)International Thymic Malignancy Interest GroupITMIG)が中心となって後方視的国際データベース事業が行われました。本邦では日本胸腺研究会が中心となってデータベース事業を行い、1991年から2010年の20年間における約3000例の外科治療症例のデータベースを構築し、国際データベース事業に協力いたしました。この事業を通じて、世界肺癌学会からTNM分類が提案され、国際対癌連合(UICC)に提出され承認を得ました。しかしながら、この新たな病期分類は主に外科治療症例のデータベースによって提案されており、非切除症例・内科治療症例は含まれていません。また、現在提案されている TNM分類と病期についても検証作業が必要です。現在、ITMIGは前方視的データベース事業を開始し、国際共同研究を提案しており、本邦も独自の研究を進めながら、国際共同研究にも参加するために、本邦の肺癌登録合同委員会が胸腺上皮性腫瘍症例の前方視的データベース事業を行うことになりました。

 本研究の目的は、本邦で外科治療、内科治療、放射線治療などの治療を受けた胸腺上皮性腫瘍を前方視的に登録してデータベースを構築し、治療成績を検証し、TNM分類と病期の妥当性を検証し、標準治療の確立のための基礎データを構築することです。201841日から2021331日の間に胸腺上皮性腫瘍と診断された症例を前方視的に登録する予定です。また、構築されたデータベースをもとに臨床研究を行い国内外に情報発信するとともに、国際的な前向きデータベースにも参加する予定です。 

 各学会の会員の先生方に、概要をお知らせ致しますとともに、会員各位におかれましては、是非、本登録にご参加頂きたくご案内申し上げます。

 

 

肺癌合同登録委員会委員長 吉野一郎

肺癌合同登録委員会事務局長 奥村明之進