肺癌登録合同委員会は日本肺癌学会、日本呼吸器外科学会、日本呼吸器学会、日本呼吸器内視鏡学会、日本胸部外科学会、日本石綿・中皮腫学会、日本胸腺研究会と協同で運営されており、我が国の肺癌症例登録、解析事業をとおして、肺癌を含めた胸部悪性腫瘍の発生や予後に関わる因子を明らかにし、その予防、診断、治療の向上に寄与することを目的として活動しています。
 これまでに1989年、1994年、1999年、2004、2010年の外科症例の後方視的調査、および2002年に内科・外科にて初回診療された症例、2012年に内科にて初回診療された症例の登録事業を行い、解析結果を報告して参りました。また、これらの事業により登録された症例データは、International Association for the Study of Lung Cancer/International Union Against Cancerによる病期分類の第9版改定の際の重要な基礎資料として用いられ、世界の胸部悪性腫瘍の診療に大きく貢献してきました。
 現在、第10次登録事業「2017年肺癌切除例」、第11次登録事業「2021年肺癌切除例」の登録事業が実施されており、また胸腺上皮性腫瘍症例登録を第8次、悪性胸膜中皮腫症例登録を第9次、第12次事業として実施しております。
 このような活動と実績は、我が国の肺癌診療に関わる皆様の熱意の賜物であると存じております。肺癌研究のさらなる発展のために、今後の事業へのご協力をお願い申し上げる次第です。


令和6年8月1日
肺癌登録合同委員会 委員長 新谷 康